映画『ソロモンの偽証』感想

動画配信サービスで『ソロモンの偽証』を視聴しました。
原作もオーディオブックで購入済みです。

柏木くんが自殺をした原因が不明瞭です。柏木くんの言動は恣意的だと思われる方もいるでしょう。
しかし、元々はそんな言い方をするような子ではなかったのではないかと私は思います。きっと世の中や人間に対して失望し、藤野さんや神原くんにもあんな言い方しかできなくなってしまったのだと推測します。

柏木くんの言うとおり、偽善者と言われたらそうなのかもしれないですが、殆どの人が藤野さんや神原くんと同じ言動をするのではないかと思います。

柏木くんがそこまで精神的に追い込まれる前に対処できなかったのか、柏木くん、藤野さん、神原くんたちだったら、みんなで団結し、大人たちの協力を得て、大出俊次のイジメだって辞めさせられたのではと残念に思います。

生徒たちでおこなう裁判は興味深かったです。

それぞれの演技も素晴らしいと感じました。

法廷で藤野さんが三宅さんや松子ちゃんに対して、見殺しにしたと本音を明かし謝罪する。だから私たちは神原くんに「あなたを裁くことは出来ない」というところでは涙が出てしまいました。

いじめ、自殺は、小説や映画だけの話ではありません。

自分のことは棚に上げる。

他人を批判するだけならできるでしょう。

いろいろ考えさせられる良い作品でした。